なまけものという生き物。
ほとんど動かない上に一日ほぼほぼ寝ているという、何ともうらやましい動物。
あまりにも動かないから、一日100g食べれば生きていけるらしい。
そして、顔。
「僕は寝るために生きていますけど、なにか?」
という顔をしている。
愛くるしいのだ。
私には超多忙な生活を送っていた時期があった。
その時のなまけものへの憧れたるや、野球少年が大谷翔平選手に憧れるのに匹敵するほどであった。
LINEスタンプも絵文字も、添い寝のぬいぐるみもなまけものにして、なまけものグッズを見つけては買っていた。
家族にも「なまけものになりたい」と宣言し、ちょっとした暇があれば、リビングにあるYogiboですぐさま寝るという、なまけもの生活を送っていた。
しかし、それがすっかり板に付いてしまって、多忙期を終えても、なかなかその習慣から抜け出せない。
子どもに「お母さんってどんな人?」と質問してみた事があった。
すると「優しいなまけもの」と言われ、これはまずいぞ、と焦って、生活を改めようと心新たにしたこともある。
でも、なまけもの感がある人っていいのよね。
なんだか心にゆとりがあって、何も欲さない、何も求めない、ただただ、そこにいる幸せを噛みしめる。
何もなくても、何者でなくても、「自分は自分でサイコウ!」なんて思えている。
そうなのだ。自己受容がハンパないのだ。
なまけものの中にある、そういう感覚こそ、みんなが持つべきものだよ。
とか言って、なまけものな自分を全力で肯定している。